-
クリニック紹介
-
循環器内科
-
内科
0422-45-1210
下痢便秘交代症《交代性便通異常症》
ようやく春の足音が聞こえてくる季節となりました。みなさまいかがお過ごしですか。さて、今回は「下痢便秘交代症」です。
同一疾患の経過中に、下痢と便秘を交互に繰り返すような状態をいいます。腸結核における下痢便秘交代症が有名です。一般に小腸を主とした慢性の腸炎が存在する場合に下痢便秘交代症をきたすことが多くなります。
また慢性膵炎においても、便秘が続いたあとで、下痢を起こし、また便秘に戻るということを繰り返すことが多くなります。糖尿病、脊髄癆などに基づく便通異常もこのような型をとることがあります。
機能的腸疾患である過敏性腸症候群は、便秘型あるいは下痢型という基本型がありますが、ちょっとしたきっかけで、下痢から便秘、便秘から下痢という転換が起こりやすく、一見、下痢便秘交代症のようにみえることがあります。
また不完全腸閉塞、下部大腸癌の末期では、物理的通過障害のため便秘になりますが、蓄便が高度になると腸からの分泌が亢進し大量の腸内容となり、閉塞の間隙から水様便となって流出し、これまた下痢便秘交代症と似た症状を呈することがあります。