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正式には睡眠時遊行症という睡眠障害の一種であり、夢遊病・夢中遊行症と呼ばれることもあります。睡眠障害のうち覚醒に問題が起きている状態で、睡眠中に体が動いてしまうのが主な症状です。
深いノンレム睡眠中に、急激もしくは中途半端に覚醒することで症状が起きます。夢遊病の状態時に意識はありませんが感覚器官は働いているため、歩行や冷蔵庫を開けることは可能です。夢遊病と聞くと家中を歩き回る姿を想像する方も多いですが、症状の表れ方には個人差があります。
例えばこのような症状が出ることがあります。
•寝床から起き上がって手足や顔を動かす
•部屋の中を歩き回る
•玄関を開けて外を歩き回る
•冷蔵庫をあけて何かを食べる
•トイレではないところで排泄する
幼児~児童期に発現し成長とともに出にくくなるのが通常ですが、ごくまれに成人でも夢遊病が起きます。成人で夢遊病が起きる場合、ストレスや精神疾患により使用している薬剤が原因となることが多いです。
夢遊病の原因となりやすい薬剤には、効果時間の短いタイプの睡眠薬・鎮痛オピオイド・抗うつ薬などがあります。精神疾患で治療中の方に夢遊病が出た場合には、まずは主治医に相談してください。
他にも身体的疲労・認知症などが原因となることもあります。
また、夢遊病は遺伝しやすく、原因がなくても家族に夢遊病の人がいると症状が出ることもあります。夢遊病の治療薬は存在せず、基本的にはストレスや原因薬剤の排除を行います。なかなか改善がない場合にはカウンセリングなど心理療法を用いたり、脳の覚醒を抑えるために抗不安薬のリボトリールなどを使用することもあります。
夢遊病の症状が出ているときに声をかけて無理やり覚醒させることは難しく、起こそうとするとパニックを起こして暴れることがあるため注意が必要です。家族が夢遊病の症状に気が付いたら、優しくベッドに戻るように促すと良いでしょう。
一人暮らしで就寝中に記憶のない飲食のあとや部屋の荒れ・足の汚れがある場合には外に出てしまい事故に遭う危険性があるため、早めに内科や心療内科に相談してください。家族が同居の場合にも大人の夢遊病は危険が伴いやすいため、外に出たり家族に危害を加えてしまう場合には一度病院に相談すると良いでしょう。