豆知識
ねあせ(寝汗)

睡眠中にかく汗のことを寝汗(ねあせ)と呼び、健常な成人でも一晩にコップ1杯程度の寝汗をかきます。子どもは体温調節機能が未発達なので、よく寝汗をかきますが異常ではありません。

 

室温が高いときやアルコールの飲みすぎ・悪夢を見たときにも、寝汗をかくことがあります。近年気温が上昇しているため、夜間に熱中症になる人が増えています。

 

発汗による体温調節には限度があるので、夜でもエアコンを使用し適切な範囲の寝汗で済む室温を保ってください。室温やかけ布団の枚数が適切なのに長期間に渡りひどい寝汗をかくのは、病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

 

寝汗の原因となる疾患には、以下のようなものがあります。

 

•結核
•自律神経失調症
•甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
•高血圧
•心疾患
•更年期障害

 

これらの寝汗は主に自律神経系の異常による精神発汗であり、自律神経の乱れから体温調節が上手くできず汗が出ます。通常就寝時は副交感神経が優位となり体温が低下しますが、自律神経が乱れて交感神経が優位となり体温が上昇するため汗をかきます。

 

これら精神発汗はゾッとするような寒気を伴う冷汗(ひやあせ/れいかん)であり、発汗後に不快感・疲労感・衰弱感を覚えるのが特徴です。結核が寝汗を引き起こすのは、結核菌毒素により自律神経系の緊張異常を起こすためとされています。

 

結核の寝汗は咳や微熱・倦怠感を伴うため、普通の風邪と勘違いしがちです。幼少期にBCGを摂取していても、成人となって結核にかかることは珍しくありません。

 

高熱ではないのに寝汗や咳が続く場合には、結核を疑い早めに病院を受診しましょう。結核など元となる病気が見つからない場合には、ストレスによる自律神経失調症が疑われます。

 

抗不安薬や抗うつ薬を飲むことで、日常生活の不安症状や頭痛などと共に寝汗も改善する可能性があります。寝汗の受診の目安は、下着やパジャマが濡れるほどの寝汗が数日続く、もしくは繰り返すことです。

 

大量の寝汗をかいた翌日にインフルエンザなどで高熱を出すのは珍しくないですが、ハッキリと原因がわからないまま寝汗が続く場合には受診が必要となります。健常な場合でもコップ1杯程度の汗をかくため、寝る前にコップ1杯程度の水を飲むのがオススメです。