豆知識
ビタミン欠乏症

ビタミンとは生体内で十分量を合成できない微量元素のことであり、ヒトでは13種類が確認されています。その各種ビタミンが体内で不足することにより起こる特有な症状を、ビタミン欠乏症と言います。

 

ビタミン欠乏症は食事からの摂取が不足している場合や、妊娠・授乳などでビタミンの必要量が増しているのに十分に摂取できていないときに起こりやすいです。また消化管の手術などにより、栄養素の吸収力が落ちているときにも起こることがあります。

 

昔のように食べ物が足りず栄養失調になる人は減りましたが、インスタント食品の摂取など偏った食事を続けているとビタミン欠乏症になることがあります。病気や老化により食事量が極端に落ちている場合や、若い女性によく見られる極端なダイエットにおいても、ビタミンが十分に摂取できないことがあるため注意が必要です。

 

ビタミン欠乏症の症状は、欠乏しているビタミンの種類によって異なります。

 

ビタミンA欠乏症…夜盲症・眼球乾燥症・角膜軟化症など

ビタミンB1欠乏症…脚気など

ビタミンB2欠乏症…口角炎・口内炎など

ビタミンB6欠乏症…末梢神経障害・貧血など

ビタミンB12欠乏症…悪性貧血・末梢神経炎など

ナイアシン欠乏症…ぺラグラ(Pellagra)など

葉酸欠乏症…巨赤芽球貧血・高ホモシステイン血症など

パントテン酸欠乏症…手足のしびれ・灼熱感など

ビタミンC欠乏症…壊血病・小児のMoller-Barlow病など

ビタミンD欠乏症…くる病など

ビタミンE欠乏症…不妊症など

ビタミンH欠乏症…脂漏性皮膚炎・痙攣など

ビタミンK欠乏症…出血傾向など

 

ビタミン欠乏症が疑われる場合、食事内容の確認や血中ビタミン値の確認により診断が行われます。症状が軽微な場合には食事指導が行われ、必要に応じて該当するビタミンを含有する薬が処方されます。

 

サプリメントを摂取する人も多いですが、ビタミンAやビタミンDなど一部のビタミンには過剰症があるため規定量を守るように注意しましょう。妊娠中はビタミンDや葉酸、授乳中はビタミンDやビタミンKが不足しがちです。

 

ビタミン欠乏症となると胎児や乳児に影響が出る可能性があるため、食事があまり摂れない場合や栄養バランスに不安がある方は医師に相談しましょう。