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渇き
さて、今回は「渇き」です。
水分欠乏に際して出現する症状です。腎臓、皮膚、肺、腸管などから体重の1~2%に当たる水分の喪失があると、細胞外液の浸透圧が上昇するために視床下部にある渇中枢細胞内脱水が起こり、渇感が生ずると考えられています。
生体は水分喪失に際して渇感と下垂体後葉からの抗利尿ホルモン放出によって体液量を調節しています。尿崩症、糖尿病、慢性腎盂腎炎、尿濃縮力の低下した慢性腎炎、高カルシウム血症、カリウム欠乏症などの多尿をきたす疾患にみられます。
渇中枢は抗利尿ホルモン分泌調節の浸透圧受容器の近くにあるので、脳疾患でこのうちの一つあるいは両者ともに障害され、たとえば異所性松果体腫瘍では渇感が消失することもあります。このほかに口腔粘膜の乾燥によって生ずる渇感もあります。
アトロピン系薬剤投与時、過呼吸の際には、水分喪失がなくても渇感を生じ、水分を与えればただちに消失します。