豆知識
舌炎

燃える夏の日ざしもようやく和らいできたようです。みなさまいかがお過ごしですか。さて、今回は「舌炎」です。

 

「食事のときに舌が強く痛む…。」それは舌炎と呼ばれる状態になっている可能性があります。時には食事が摂れないほど痛みが出てしまう舌炎ですが、その原因や対策をご紹介します。舌炎とは口内炎の一種であり、舌にできる炎症を総じて舌炎と呼びます。舌の先端に発生するケースが多いですが、奥側や舌の裏面にできることもあります。

 

貧血、ビタミン欠乏症などの場合に舌炎が起こってきます。すなわち、はじめは舌乳頭の発赤、ついで舌の尖端、辺縁、背部の発赤が起こり、口腔に灼熱感、創傷感を訴えるようになり、ときには小水疱、小亀裂が生ずるが、後には粘膜の萎縮、乳頭の消失が起こります。

 

このような変化をきたす疾患としては、大赤血球性貧血(悪性貧血、スプルー、膵臓機能不全症、膵臓嚢腫性線維化症、条虫症、その他のビタミンB12欠乏症)、ビタミンB複合体欠乏症、鉄欠乏性貧血、特発性萎縮性舌炎などが知られています。ハンター舌炎はこの一つです。

 

舌炎の症状は舌の表面にある舌乳頭と呼ばれる突起が、赤く腫れることから始まります。その後ヒリヒリとした痛み、突き刺さるような痛みを感じるようになり、塩分や酸味のある食べ物がしみるようになります。悪化すると舌に水疱ができたり、味覚障害が起こることもあります。

 

舌炎の原因には、舌を噛んでしまい、そこから雑菌が入って発生することが多いです。むし歯や歯周病によっても舌炎は起きますし、ストレスや体調不良による免疫力低下が原因になることもあります。鉄分不足による貧血・ビタミンの不足も、舌炎が起こりやすくなる理由の一つです。また、ハンター舌炎のように悪性貧血など疾患が原因となる舌炎もあります。

 

舌炎の対策方法としては、まずは口内を清潔に保つように気を付けましょう。繰り返し同じ場所を噛んでしまう場合、歯並びや歯の形状に問題があるかもしれないので、歯科で相談してみるのも良いでしょう。日ごろからバランスの良い食事や十分な睡眠を取ることも大切です。できてしまった舌炎の痛みや腫れが長く続く場合には、病院で炎症を抑えるうがい薬を出してもらうことも可能です。

 

舌炎